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5.弁護士をつけたらこうなる


弁護士はなにをするの?

刑事弁護人は被疑者の絶対の味方です。
逮捕・勾留されている段階で弁護士を選任した場合、その弁護士は、被疑者や関係者と面会をし、事件の真相を探求して被疑者の利益を代弁します。

逮捕・勾留されている段階では、客観的には犯罪が行われたことが明らかであっても、誰が本当の犯人であるのか、どのような経緯で犯罪が行われたのかは、事件の当事者以外には誰にも分かりません。それを明らかにするのが捜査です。

この点、刑事実務においては、警察官や検察官は被害者に肩入れをした捜査をすることが多く、被疑者の声はなかなか捜査結果に反映されません。また、逮捕・勾留された状態での取調べは想像以上にキツく、被疑者は、身柄を拘束された状態で高圧的な取調べを受けて、時として真実に反する内容を認めてしまうことがあります。

そこで、弁護士は、選任と同時に被疑者の味方となり、被疑者を心理的にサポートしながら、法律の専門家の視点から捜査機関による犯人の取り違えや事実認定の勘違いを是正し、刑事手続の公平な運営を実現します。

仮に被疑者が犯罪を行ったことが明らかであったとしても、法律にのっとった正しい事件処理がなされるよう、弁護士は被疑者の味方となって、被疑者に対する暴力的・脅迫的な取調べや、捜査機関による違法・不当な証拠収集を阻止し、刑事手続の適正な運営を実現します。

逮捕・勾留から被疑者を解放する

被疑者が理由もなく逮捕・勾留されている場合、弁護士はその被疑者を解放することができます。
法律上、逮捕に対する不服申立ての手段は設けられていませんが、弁護士は警察官に対して被疑者を解放するように要請し、警察官に対して被疑者を勾留しないように要求することができます。弁護士から要請があれば、警察官や検察官は再度、本件において逮捕・勾留の要件は満たされているかを吟味することになりますから、理由のない逮捕・勾留を予防し、逮捕の拘束状態から被疑者を解放することにつながります。

また、勾留の段階においては、勾留決定に対して準抗告(じゅんこうこく)という手段をもって裁判所に不服を申立てることができます。この準抗告という手段は、違法で不当な勾留から被疑者を救済するための手続であり、安易で軽率な勾留を抑制する機能を有します。その際には、弁護士が書面を作成し、裁判官に対して、本件の勾留には勾留の理由も必要性もないことを具体的に主張することになります。

その他にも、勾留後の弁護活動としては、検察官の裁量に基づく身柄解放を期待して、できるだけ早期の釈放を行うよう検察官に書面を提出して要請したり、裁判所に勾留の取消しまたは執行停止を求めたりすることが考えられます。

刑事裁判に備えて準備活動をする

逮捕・勾留されている段階で弁護士を選任すると、これに続く刑事裁判に関して十分な準備活動ができるというメリットがあります。特に、事実関係の調査や証拠の収集には膨大な時間がかかるので、事件の真相に合致した適正な処罰を求める場合には、なるべく早くに専属の弁護士を選任しておくことが重要です。

起訴された後に弁護士をつけた場合、刑事裁判の準備活動は、起訴状が到達してから第1回公判期日までの非常に限られた時間で行わなくてはなりません。

捜査段階から一貫した弁護活動のサポートを受けることは、被疑者に認められた特別の権利であることを十分に自覚する必要があります。

被疑者のメンタル面をサポートする

弁護士ができることは法律上のサポートだけではありません。
弁護士は、被疑者との面会を通じてそのメンタル面をサポートし、高圧的・暴力的な取調べに流されて真実に反する供述をしてしまわないように、正しい知識と緊急の場合の対応策について助言します。

特に、接見禁止(せっけんきんし)によって家族と面会できない被疑者の場合は、弁護士が家族や社会とつながる唯一の窓口となるわけですから、弁護士を選任し被疑者のメンタル面をサポートする意味は大きいといえます。

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アトム法律事務所弁護士法人代表 岡野武志(第二東京弁護士会)