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5.判決ガイド

判決内容の決め方

通常の裁判の場合

事件の審理が一人の裁判官でなされている単独体(たんどくたい)の場合、判決の内容は、その裁判官の心証に基づいて決められます。事件の審理が複数の裁判官でなされている合議体(ごうぎたい)のときは、判決の内容は、その合議体を構成する各裁判官の評議(ひょうぎ)によって決められます。この評議を一般に合議(ごうぎ)といいます。合議の結果、裁判官全員の意見が一致しないときは、多数決によって結論を出すことになります。

裁判員裁判の場合

事件の審理が裁判官と裁判員でなされている裁判員裁判(さいばんいんさいばん)のときは、判決の内容は、裁判官と裁判員の評議(ひょうぎ)によって決められます。評議の結果、全員の意見が一致しない場合には、裁判官と裁判員を合わせた多数決によって結論を出すことになります。なお、裁判員は裁判官と同じく一票を持ち、その意見の重みに違いはありません。ただし、その評決は、裁判官の1名以上および裁判員の1名以上が賛成する意見によらなければならず、被告人を有罪にする場合には、裁判官と裁判員のそれぞれ1人以上が有罪の意見であることが必要とされます

判決の言渡し

判決宣告手続においては、裁判所が判決の言渡しをします。判決の宣告は、公判廷において裁判長がおこない、判決の主文(しゅぶん)および理由を朗読し、または主文の朗読と同時に理由の要旨を告げなければならないとされています。

検察官によって起訴された事実の存在が「合理的な疑いを容れない程度に証明」され、かつ、その事実が刑罰法令に触れるときは、有罪判決(ゆうざいはんけつ)が言い渡されます。合理的な疑いを入れない程度とは、普通に考えれば事実を確信できる程度という意味であり、普通に考えれば事実の存否に疑問を入れる余地がある場合は、有罪判決を言い渡すことはできません。これを「疑わしきは被告人の利益に」の原則といいます。

検察官によって起訴された事実が証拠調べを行っても証明できない場合、または、証拠調べによって証明された事実が刑罰法令に触れないときは、無罪判決(むざいはんけつ)が言い渡されます。

執行猶予判決とは?

実刑判決の場合
主文「被告人を懲役3年に処する。」

執行猶予付き判決の場合
主文「被告人を懲役3年に処する。この裁判が確定した日から5年間その刑の執行を猶予する。」

(解説)

実刑判決(じっけいはんけつ)の場合は、裁判で懲役3年の有罪判決が言い渡され、それが確定すると、懲役3年の刑が直ちに執行されることになり、被告人は直ちに刑務所で懲役に服さなければなりません。

これに対して、懲役の刑に執行猶予(しっこうゆうよ)が付いている場合には、有罪判決が確定しても、被告人は直ちに刑務所に入れられてしまうということにはなりません。上記の例では、5年間の執行猶予期間の間、再び罪を犯したりすることなくその期間を無事に過ごしたときは、刑の言渡しそのものが効力を失い、将来まったくその刑の執行を受けることがなくなります。

執行猶予の制度は、比較的軽い罪を犯してしまった場合で、犯人が自分の非を悟り、今後はまじめな生き方をしていきたいと心に誓っているようなときに、その更生をサポートするための制度です。

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アトム法律事務所弁護士法人代表 岡野武志(第二東京弁護士会)