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2.捜査ガイド

捜査ってなに?

捜査とは、捜査機関が犯罪行為に関する証拠を集め、犯人を確定する手続をいいます。捜査は、相手方の任意の承諾を得て行われる任意捜査(にんいそうさ)と、相手方の承諾の有無を問わずに行われる強制捜査(きょうせいそうさ)とに分けられます。

≪捜査の種類≫

 

任意捜査

強制捜査

具体例

職務質問、任意同行、逆探知、写真撮影、聞き込み

逮捕、勾留、捜索、差押え、検証

内 容

相手方の任意の承諾を得て行われる捜査

相手方の承諾の有無を問わずに行われる捜査

捜査を断ることができる

捜査を断ることができない

裁判所の発付する令状は必要ない

原則として、裁判所の発付する令状が必要

取調べと調書 ~調書はこうして作られる~

被疑者に対する捜査の中心は、取調べ(とりしらべ)です。捜査機関は、事件の解明のために被疑者を取り調べて、その供述を調書(ちょうしょ)にまとめます。警察官が作成する調書を警察官調書(けいさつかんちょうしょ)といい、検察官が作成する調書を検察官調書(けんさつかんちょうしょ)といいます。

取調べで作成される調書は、まるで被疑者自身が書いたかのように、「わたしは、○月○日、××駅前でけんかをして被害者を傷つけてしまいました」などの文体で記述されます。しかし、これらの調書には、被疑者自身が話した内容がそのまま書かれるわけではありません。

調書の文体は、被疑者自身が語ったかのように書かれていますが、その内容は、取調官の側が取調べの内容を後からまとめて文章にしたものです。日本の取調べにおいては、弁護士の立会い権が認められていないため、被疑者が本当に語ったことばと、取調官がでまかせで作文したことばとを、後から見分けることが極めて困難です。しかも、被疑者が署名・指印した調書は、あたかも被疑者自身が語ったものとして、後の裁判で裁判官に取り調べられてしまいます。

つまり、調書に署名・指印するにあたっては、極めて慎重な判断が要求されるのです。

取調べの心がまえ

① 黙秘権があります。

憲法38条1項は、「何人も自己に不利益な供述を強要されない」と定め、黙秘権(もくひけん)を保障しています。つまり、被疑者は、取調官から何か話せ!と迫られても、黙秘権を行使し、話すことを拒否することができます。一切の質問に対して、何も答えず、黙っていてもかまいません。黙秘権は、国家権力がウソの自白を強要してきた歴史の反省から認められた権利です。黙秘権を行使することは、決して間違ったことではありません。

② 真実に反する自白をしてはいけません。

取調べに対して、黙秘権を行使せず、返答する場合は、決して自分の記憶にないことを認めてはいけません。一度、真実に反する自白をしてしまって調書に署名・指印してしまうと、裁判になってから本当のことを言っても手遅れです。長期の取調べに耐えるのは非常につらいことですが、真実に反して罪を認めることは絶対に避けてください。捜査段階で真実に反する自白をしてしまったために、無実の罪で死刑判決を受けた人や、長期の懲役刑を受けた人が、現実にはたくさんいるのです。

③ 調書への署名・指印を拒否できます。

捜査官は、調書を作成し終わると、被疑者にこれを読み聞かせて、署名・指印することを求めてきます。しかし、被疑者は、この署名・指印を拒否することができます。調書に書かれた内容に誤りがある場合、調書に書かれた内容のニュアンスが異なる場合などには、捜査官に調書の内容を変更するように求め、これを変更しない場合は署名・指印を拒否するという毅然とした態度をとる必要があります。

④ 最後にもう一度、調書の内容を確かめてください。

調書に署名・指印をする場合は、必ず最後にもう一度、調書の内容をきちんと確かめてください。被疑者には、取調官に対して、調書の記載内容を変更するように求める権利があります。調書は、取調べの度に作るものではありません。取調べがあっても、調書を作らないことも可能なのです。真実が書かれた納得のいく調書が作られた場合に限って、その内容をもう一度確認して、署名・指印するようにしてください。

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アトム法律事務所弁護士法人代表 岡野武志(第二東京弁護士会)